50th社労士

社会保険労務士とは🔰

1. 社会保険労務士制度の概要

社会保険労務士は労働社会保険諸法令や人事労務管理に関する「唯一の国家資格者」で、社会保険労務士法に基づき

  • 毎年1回、厚生労働大臣が実施する国家試験に合格し
  • 2年以上の実務経験がある者で
  • 全国社会保険労務士会連合会に備える名簿に登録された者

をいい、全国に約4万人います。

なお、社会保険労務士制度は2018年に50周年を迎えました。


2. 社労士の業務領域

社労士には、大きく次の3つの業務領域があります。

(1)労働保険・社会保険などの手続代行

労働保険(労災保険・雇用保険)、社会保険(健康保険・厚生年金)の手続代行のほか、各種助成金・給付金の申請や給与計算、賃金台帳の作成なども行っています。

(2)人事労務管理

例えば、就業規則の作成、賃金・労働時間等に関する相談、個別労働紛争の防止・解決などがこれに当たり、昨今では、解雇・サービス残業をめぐる労働紛争やメンタルヘルス対策、派遣労働者の問題などに対するニーズが高まっています。

また、賃金や退職金制度などのコンサルティングに注力している社労士もいます。

(3)年金の相談・請求等

公的年金には老齢、遺族、障害がありますが、消えた年金記録の問題がマスコミ等で大きく取り上げられ、一般の方にも社労士の知名度が広がることとなりました。


3. 社労士が扱う法律

社労士が扱う法律には次のようなものがあります。

(※法令名は略称を使用している場合がありますのでご了承ください。)

法令名概要
労働基準法労働者保護の観点から労働に関する最低基準
労働安全衛生法労働災害の防止、快適な職場環境の形成
労働者災害補償保険法業務上の病気・ケガに対する保険給付・補償
雇用保険法失業の給付、失業の予防、雇用機会の増大
労働保険料徴収法労働保険料(労災・雇用)の円滑・効率的な徴収
雇用対策法大量に失業者が発生する場合の報告義務
職業安定法公共職業安定所、職業紹介事業
労働者派遣法労働者派遣を行う場合の基本ルール
高年齢者雇用安定法定年など高年齢者に対する雇用ルール
障害者雇用促進法身体障害者や知的障害者の雇用義務
中小企業労働力確保法中小企業の雇用改善(計画の認定、助成・援助)
建設労働者雇用法建設労働者の雇用改善
職業能力開発促進法職業能力開発基本計画の策定、事業主の責務
労働契約承継法会社分割の際の労働契約の承継
個別労働関係紛争解決促進法事業主・労働者間の紛争解決(あっせん制度)
男女雇用機会均等法性別を理由とする差別的取扱の禁止
育児・介護休業法育児・介護休業を取得する際の基本ルール
短時間労働法(パートタイム労働法)パートタイマーの雇用管理改善、事業主の責務
最低賃金法最低賃金に関する規制
賃金支払確保法貯蓄金・退職手当の保全、未払賃金の立替払
勤労者財産形成促進法いわゆる「財形(年金・住宅)」
中小企業退職金共済法中小企業を対象とした退職金共済制度
労働組合法労働組合の運営、労働者の団結、団体交渉権
労働関係調整法労働争議が起きた場合の通知義務
健康保険法業務外の病気やケガに対する保険給付
国民年金法全国民共通の基礎年金に関する法律(1階部分)
厚生年金保険法主にサラリーマンが加入する年金に関する法律(2階部分)
国民健康保険法自営業者等 (家族含む) が加入する健康保険制度
児童手当法児童手当の支給ルール
老人保健法老後の健康保持、適切な医療の確保
船員保険法船員が加入する社会保障制度
介護保険法要介護認定や介護給付
確定給付企業年金法規約型企業年金、基金型企業年金
確定拠出年金法いわゆる「日本版401k」の運営
行政不服審査法行政に対する不服申立て

4. 社労士を活用するメリット

昨今、労働社会保険諸法令は頻繁に改正され、また従業員の労働に対する価値観も多様化し、労働紛争が頻発するなど雇用・労働環境は大きく変化しています。

このような中で、事業主様が人事労務管理の専門家である社労士を活用するメリットには、少なくとも次の3つがあると考えます。

(1)専門性

外部の専門性(知識・ノウハウ等)を手っ取り早く獲得できる

(2)効率性

余計な労力や手間を省き、金銭的・時間的な節約が図れる

(3)コンプライアンス

コンプライアンスが強化され、不要な労働トラブルのリスク回避ができる

安心して本業に集中できる+組織の健全な成長発展が図れる