ニュース&コメント
ここ数日、労働分野において、大きな記事が2つ報じられました。
1つは、働き方改革関連法案が衆院本会議で可決されたというもので、もう一つは、ハマキョウレックス事件で、同一労働同一賃金に関して注目の最高裁判決(司法判断)が示されたというものです。
以下、順に記事等々をご紹介していきます。
この法案は、労働基準法など8本の労働関係の法律を一括で改正するもので、ポイントは次の3つとされています。
- 残業規制
- 同一労働同一賃金
- 脱時間給制度
実務的に、また多くの企業等において影響を受けるのは、特に、前の2つ(残業規制と同一労働同一賃金)だと言えます。
ちなみに、もう少し詳しい内容は、次の資料(PDF)でご覧いただけます。
さらに、法案可決の翌日に、最高裁で次の判決が下されました。
これまでは、雇用の契約形態によって処遇(手当等)が異なるのは、あまり違和感なく、ごく当然のように思われてきましたが、これからは、きちんとした根拠なくして格差を設けることは出来ない! ということが、明確に示されたわけですね。
昨今の人手不足により処遇改善を図っている企業等は多いと思われますが、賃金の見直しを行う際は、ぜひ今般の判決を念頭に置いておきたいところですね。
近況など
あらためまして、こんにちは!
特定社会保険労務士の中薗です。
右往左往していた働き方改革法案も、ようやくその方向性が見えてきましたね~。
当事務所においては、こうした法案の有無にかかわらず、フレックスタイム制を導入するなど、特に最近の重点課題として、業務の効率化や労働生産性の向上に取り組んでいます。
どの業界でも同じことが言えるかも知れませんが、「業務量が増える⇒人員を増やす」といった単純な考え方は、今後ますます通用しなくなってくるでしょうから…。
また、組織は一般的に、規模が大きくなるにつれて皆で共有すべきルールが必要となってきます。
ところが、当事務所の場合は、その辺の基本的なルールがあまりにも欠けているために、業務処理一つとっても統一感や他の業務との連動性、汎用性に乏しく、全体として見ると非効率になってしまっている部分が散見されると感じています。
ルールで縛ることは、個性を奪うことにつながり兼ねないようにも感じますが、そもそも”個性”とは基本的なルールを守った上に発揮されてこそ、その輝きを放つものだと思いますので、それとこれとは話は別ですよね。
例えば、昨今、連日のように話題となっているエンゼルスの大谷選手も、皆と同じユニフォームを着て、ベースボールという共通のルールの中でプレーしているわけですが、誰も”彼には個性がない”とは思わないでしょう。
いずれにしても、これまでは業務に追われてルールの整備が後追い、場当たり、疎かになってきたので、ここらで事務所の将来像を見据え、真剣に向き合っていかなければならないと考える今日この頃です。
▽▽▽
ちなみに、先ほど触れた フレックスタイム制 ですが、実際にやってみると、色々と身をもって見えてくることがあります。
その一つに、同制度を導入する前提として、そもそも業務が効率化されていないと、あまり導入効果がないというのがあります。
繁忙時期は、どうしても労働時間が長くなってしまいますが、そうした時こそ逆に、早く帰れる時にはフレックスを使って早く帰り、遅く出勤して支障のない時には遅く出勤することで無駄が省け、心身の疲労蓄積も緩和できます。
これが、業務効率が悪く、いつも長時間労働ばかり強いられているような状況だと、フレックスを使って遅く出勤しようものなら、そのまま終業時間が後ろにずれるだけですので、フレックスタイム制が、只の 夜型人間育成制度(!?)となってしまいます。
長時間労働の一方で、業務を効率化して 短時間労働が可能な日を作る!
それが出来れば、あとは本人が業務の繁閑やワーク・ライフ・バランス等を考えながら長短を上手く調節していけばよいだけですので、フレックスタイム制の導入効果(一例:無駄な労働時間を省く)はいかんなく発揮されるでしょう。
フレックスタイム制の導入をお考えの際は、手続面はもとより、その辺も是非ポイントの一つとして押さえておいて頂けると幸いです。。。