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年金時効特例法(H19)
労働社会保険レポート!

今回は、先頃可決成立した「年金時効特例法」について、その概要(対象者、手続方法など)をレポートします。

この特例法については、連日マスコミ等でも取り上げられ大きな注目を集めていましたが、この度、社会保険庁(現:日本年金機構)から正式発表がありましたのでぜひご確認ください。

<目次>

  1. ポイント
  2. 対象者
  3. 必要な手続
  4. 窓口での手続に必要なもの

注) このレポートは 2007年7月7日現在 の法令に基づき作成されています。


1. ポイント

今までは、年金記録が訂正された結果、年金が増額した場合でも、時効消滅により直近5年分の年金に限って支払われていましたが、年金時効特例法の成立により、全期間さかのぼって支払われることになりました。


2. 対象者

2-1. 既に年金記録が訂正されている方

  • 年金記録の訂正により年金額が増えた方
    年金(老齢・障害・遺族)の時効消滅分が全期間さかのぼって支給されます。
  • 年金記録の訂正により年金の受給資格が確認され、新たに年金が支給される方
    年金(老齢・障害・遺族)の時効消滅分が全期間さかのぼって支給されます。
  • 上記のいずれかに該当する方が既に死亡している場合には、その遺族
    未支給年金の時効消滅分が支給されます。
注1
未支給年金とは、年金を受けられる方が死亡した場合に、まだその方へ支給が済んでいなかった年金のことです。
注2
遺族の範囲は、死亡した当時、生計を同じくしていた者に限られ「配偶者 → 子 → 父母 → 祖父母 → 兄弟姉妹」の順となります。

2-2. 今後、年金記録が訂正される方

今後、年金記録が訂正された結果、上記と同様に年金額が増える方は増額された年金や未支給年金が全期間分支払われます。


3. 必要な手続

3-1. 今後、年金記録が訂正される方

記録訂正の手続以外に特別の手続は必要ありません。
年金記録の訂正に合わせて自動的に手続が行われ、5年を経過した分の年金額も支給されます。

3-2. 既に年金を受給開始後に年金記録が訂正されている受給者

  • 2007(H19)年9月からあらかじめ必要な記載事項が印字された用紙が順次発送されます。
  • 今すぐに手続を行うこともできます。その場合は、最寄の年金事務所に必要な書類を提出(郵送可)することになります。
注1
郵送で手続を行う際に必要となる用紙は、「年金事務所」又は「ねんきんダイヤル(0570-05-1165)」から取り寄せるか、日本年金機構ホームページからプリントアウトできます。
注2
手続から支払までの期間は2~3ヶ月程度で、支払前に審査結果・振込等のお知らせがあります。

4. 窓口での手続に必要なもの

4-1. 年金を受給されている方の場合

「年金証書」、「振込通知書」など基礎年金番号・年金コードが確認できるもの

4-2. 未支給年金を受けたことがある遺族の場合

  • 死亡した方が受けていた年金の「振込通知書」「未支給年金支給決定通知書」など、死亡した方の基礎年金番号・年金コードが確認できるもの
  • 手続をされる方ご本人の身分証明書(運転免許証等)
  • 振込を希望される金融機関の預金口座通帳

4-3. 未支給年金を受けたことがない遺族の場合

「年金事務所」又は「ねんきんダイヤル(0570-05-1165)」にお問合せ下さい。

なお、本人以外の方が代理で手続を行う場合は、「委任状」「委任を受けた方(実際に窓口に行かれる方)の身分証明書(運転免許証等)」が必要になります。


あとがき

いつどのタイミングで手続を行うか、お悩みの方は多いのではないでしょうか?

私も6月の下旬に社会保険事務所(現:年金事務所)の窓口業務の応援に行っていましたが、1~2時間以上の待ち時間は当たり前の状態でした。(ただし、開庁直後や閉庁間際、昼食の時間帯、雨天の場合などは若干空いていました。)

既に年金受給されていて、少しでも早く増額改定されたい方は混雑を覚悟のうえで年金事務所に出向くことも仕方ありませんが、そうではなく少し余裕のある方は、郵送という方法も有効かと思います。

ただ、その場合は二度手間とならないよう、書類作成のポイント等を事前に年金事務所や社会保険労務士などに確認することが望ましいでしょう…。