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労働保険の「年度更新」に関するレポートです。
年度更新の基礎知識から 一括有期事業 における手続上の留意点まで、実務のご参考となれば幸いです。
注) このレポートは 2018年5月19日現在 の法令に基づき作成されています。
労働保険の保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間(「保険年度」といいます。)を単位として計算されることになっており、その額はすべての労働者(雇用保険については、被保険者)に支払われる賃金の総額に、その事業ごとに定められた保険料率を乗じて算定することになっています。
労働保険では、保険年度ごとに概算で保険料を納付し(徴収法第15条)、保険年度末に賃金総額が確定した後に精算する方法がとられています(徴収法第19条)。
したがって、事業主は、前年度の保険料を精算するための確定保険料の申告・納付と新年度の概算保険料を納付するための申告・納付の手続きが必要となり、これが「年度更新」の手続きです。
この年度更新の手続きは、毎年6月1日から7月10日までの間に行わなうこととなっており、もし手続きが遅れると、政府が保険料・拠出金の額を決定し、さらに追徴金(納付すべき保険料・拠出金の10%)が課されることがあります。
「労働保険概算・確定保険料/石綿健康被害救済法一般拠出金申告書」(以下「申告書」といいます。)を作成し、その申告書に保険料等を添えて、金融機関、所轄都道府県労働局及び労働基準監督署のいずれかに、6月1日から7月10日までの間(土日祝日を除く)に提出する必要があります。
申告書は、あらかじめ労働保険番号、事業の所在地・名称、保険料率等が印書され、都道府県労働局から各事業主宛に送付されますので、そちらを使用して下さい。
また、記入にあたっては、申告書に同封されている「労働保険 年度更新 申告書の書き方」を参考にご記入ください。
年度更新において納付する労働保険料の算定については、その事業で使用されるすべての労働者に支払った賃金総額に、その事業に応じて定められた保険料率を乗じて算定し、一般拠出金の額については、賃金総額に一般拠出金率(1000分の0.02)を乗じて算定を行い、申告・納付します。
労働保険料等は、その事業に使用されるすべての労働者に支払った賃金の総額に、その事業に定められた保険料率・一般拠出金率を乗じて算定します。そのため、この賃金総額を正確に把握しておくことが必要です。
「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業に使用される者で賃金を支払われる者をいいます。
ただし、その事業に使用される労働者のうち、雇用保険料の負担が免除される「高年齢労働者」(その保険年度の初日において満64歳以上の者)や雇用保険の被保険者とならない者(学生アルバイト等)に対して支払った賃金がある場合には、労災保険に係る保険料と雇用保険に係る保険料とを区別して、それぞれ算定したものの合計が労働保険料となります。
「賃金」とは、賃金、給与、手当、賞与など名称の如何を問わず労働の対償として事業主が労働者に支払うすべてのものをいい、一般的には労働協約、就業規則、労働契約などにより、その支払いが事業主に義務づけられているものです。
なお、一般拠出金の算定基礎となる賃金総額は、原則として、労災保険に係る労働保険料の算定基礎賃金総額と同額になりますが、場合によっては異なることがあります。
建設の事業や立木の伐採の事業のうち、「一括有期事業」として成立している事業については、継続事業と同様に年度更新の手続を行うことになります。ただし、建設の事業や立木の伐採の事業は「二元適用事業」ですので、申告書は労災保険に係る分と雇用保険に係る分をそれぞれ別個に作成します。
一括有期事業の要件は、建設の事業においては、一工事の請負額が1億9千万円未満(平成27年度以降に開始した工事については、1億8千万円未満(消費税相当額を除く))、かつ、概算保険料額が160万円未満の場合 、一括して申告することになっていますが、一括できる工事は、隣接県及び厚生労働大臣が指定した都道府県の区域で行う工事に限られます(徴収法第7条)。立木の伐採の事業にあっては、素材の見込生産量が1,000立方メートル未満で、かつ、概算保険料額が160万円未満の場合について行うことになっています。
申告書の記入に当たっての留意点は、概ね「継続事業」の場合に同じですが、労災保険に係る分については、次の点が異なります。
労働保険適用徴収関係手続については、電子申請及び電子納付が便利です。
年度更新については、申告書を電子申請した場合にのみ電子納付をすることができますが、電子申請していない場合であっても、延納(分割納付)を申請した場合の第2期分以降については、電子納付が可能です。
詳細は、次のパンフレットにてご確認いただけます。