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今回は、「労働者代表の選出方法」についてレポートします。
労働基準法やその関連法令では、法令が有効に成立するための要件として、使用者(以下「会社等」といいます。)が労働者代表の意見を聴くことや、労働者代表と労使協定を締結することを求めているケースがあります。
このような際に、労働者の過半数で組織する労働組合があれば、その代表者が労働者代表として会社等に意見を述べたり、協定を締結したりすることになるのでしょうが、昨今では労働組合がないという会社等が圧倒的に増えています。
そのような場合に、誰をどのようにして労働者代表として選出すればよいのか、実は細かな決め事があるのです。
今回は、その点についてポイントをまとめてみましたので今後の参考にして頂ければ幸いです。
注) このレポートは 2015年3月3日現在 の法令に基づき作成されています。
まず押さえておきたいのが、どのような場面で労働者代表の選出が必要となるかについてですが、具体的には次のような場面になります。
それでは、次に選任に当たっての注意点について述べていきます。
なお、労働者代表を選任できる(選出する権限を有している)労働者の範囲は、各事業所の全労働者(管理監督者、パート、アルバイト、休職中の者、出向労働者を含む。)とされています。
但し、派遣労働者については、派遣先事業所の就業規則や36協定の適用を受けませんので、ここでいう全労働者には含みません。
会社等は、労働者代表の選出に当たって、次のような行為を行ってはならないとされていますのでご注意ください。
余談になりますが、特に小規模の事業所等において、労使協定書等への捺印が労働者代表のいわゆるシャチハタ印で行われているケースを時々目にします。
また、「シャチハタ印でも構いませんか?」などと経営者や総務人事担当者からご質問をお受けすることもあるのですが、筆者の経験上は、シャチハタ印だからといって、就業規則届に添付する意見書や36協定届が労基署に受け付けてもらえなかったということはありません。
ただ、後に法律上、労働者代表の真意に基づく書面であるか否かが争われることにでもなれば、やはりシャチハタ印では信憑性に問題があると言わざるを得ません。
つまり、会社等が勝手に偽造したのではないかと疑われても文句が言えないのです。
ですので、できる限り朱肉の認印で捺印してもらうように努めるべきでしょう…。