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パート就業規則のポイント
労働社会保険レポート!

今回は、パートタイマー就業規則を作成する際のポイントについてレポートします。

パートタイマーは、勤務形態、勤務時間、賃金など正社員と異なった取り扱いをする場合がほとんどです。

そのため口頭での契約では後々のトラブルとなるため、文書に明記しておくことが重要です。

また、労働契約は、就業規則の労働条件を下回ることが禁止されているため、パートタイマー就業規則のない会社では、パートタイマーも正社員と同じ労働条件であるとみなされ、意に反して賞与の支払い義務等が生じる可能性もあります。

このようなことにならないためにも、またパートタイマーが安心して働ける環境を整えるためにも「パートタイマー就業規則」をしっかり整備することが大切です。

<目次>

  1. 就業規則のパターンと労働契約
  2. パートタイマーの定義
  3. 社会保険制度の取り扱い
  4. 契約期間と契約更新
  5. 異動
  6. 解雇予告の適用除外
  7. 労働時間
  8. 年次有給休暇
  9. 最低賃金
  10. 昇給
  11. 健康診断
  12. 制裁

注) このレポートは 2008年4月26日現在 の法令に基づき作成されています。


1. 就業規則パターンと労働契約

1-1. 就業規則のパターン

パートタイマー就業規則には、次の3パターンがあります。

  1. 正社員の就業規則と同様に、パートタイマーの労働条件を一つずつ独自に規定するパターン
  2. 多くは独自に規定していくが正社員と同じ部分は「正社員就業規則を準用する」とするパターン
  3. 異なる部分のみ規定して「この規則に定めのない事項は正社員の就業規則を準用する」とするパターン

1-2. 労働契約

交通費を例にとると「所定労働時間が他の人より短いから交通費は支給しない。」という場合、就業規則で交通費を支給すると規定していれば、この労働契約の不利益な条件は無効となり就業規則の条件に引き上げられます。

このような措置が必要であれば、「所定労働時間が4時間未満の場合は交通費を支給しない。」といった特別な取扱いがある旨をパートタイマー就業規則に明記しておかなければなりません。


2. パートタイマーの定義

会社にアルバイト、嘱託など、臨時社員が複数いる場合は、どの社員をパートタイマーと称しているのか就業規則に明確な定義を定め、どの規程が適用されるのかを明確にする必要があります。


3. 社会保険制度の取り扱い

短時間労働者の社会保険等の加入基準は次の通りです。これらの適用について明確にしておかれるとよいでしょう。

  • 厚生年金・健康保険
    1日又は1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、同種の業務に従事する通常の就労者のおおむね3/4以上である者
  • 雇用保険
    1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者

4. 契約期間と契約更新

4-1. 契約期間

有期労働契約は一部の例外を除き3年が上限です。この上限を超える労働契約は3年で契約されたものとみなされますので、この範囲内で規定する必要があります。

4-2. 契約更新

短期の契約期間を、複数回更新を繰り返す会社が多くあります。この場合、当然に契約更新をしてもらえるだろうと労働者が期待感をもつことから実質的に期間の定めがない労働契約とみなされる可能性があります。

あるいは、有期の契約であっても、口頭の説明で「ほかのパートも契約を更新している。」旨の発言があったとすれば、契約更新を前提とした労働契約であるとみなされることもあります。

契約内容がその都度見直されているなど個々の労働契約が明らかに独立していない限り、繰り返し更新することで期間の定めのない労働契約とみなされる可能性があると言えますので、契約更新については、規定内容とともに言動にもご注意ください。


5. 異動

パートタイマーは転勤、出向など職場を変更するような人事異動になじまないとされています。したがって、規定する場合は「勤務内容の変更を命じることがある」程度の規定があればよいでしょう。


6. 解雇予告の適用除外

パートタイマーであっても解雇予告の規定が適用されます。

ただし、日々労働契約を締結する者や、2ヶ月以内の期間を定めて労働契約を締結する者(短期限定の臨時従業員)については、一定期間継続雇用しない限り解雇予告の規定は適用されません。


7. 労働時間

労働時間は、絶対的必要記載事項として始業・終業の時刻を必ず定めなければならないことになっています。

なお、所定労働時間に例外を設ける場合は、基本となる所定労働時間を明示し、具体的には個別の労働契約等で定める旨の委任規定を設けることが望ましいとされています。


8. 年次有給休暇

週の所定労働時間が30時間未満で、かつ1週間の所定労働日数が4日以下(又は1年間の所定労働日数が216日以下)の労働者には、年次有給休暇を比例付与しなければなりません。

なお、時間給者が年次有給休暇を取得した場合の賃金を「通常の賃金」とするときは、1日当たり「所定労働時間 × 時間単価」で支払うこととなります。


9. 最低賃金

最低賃金は、地域別・産業別に毎年定められており、試用期間中の者など最低賃金が適用されない労働者についても、都道府県労働局長の許可が必要となります。


10. 昇給

昇給については絶対的必要記載事項であるため、定期昇給がなくても「契約更新時に見直す。」、あるいは「作業の熟練度を審査して実施する。」などを記載しておくとよいでしょう。


11. 健康診断

パートタイマーの健康診断の実施基準は次の通りですので、その旨を明確にしておかれるとよいでしょう。

  • 期間の定めのない労働契約の者、もしくは1年(有害業務の場合は6ヶ月)以上使用される予定、又は使用されている者である。
  • 1週間の労働時間数が同種の業務に従事する通常の労働者の3/4以上である。

12. 制裁

制裁に関する規定は、制裁の種類ごとに具体的な制裁の対象となる行為を列挙したものが望ましいですが、簡潔に説明したい場合は、全ての制裁の対象行為をまとめて列挙したものでもよいてされています。


あとがき

パートタイム労働者の中には正社員との待遇の格差があることについて、その理由がわからず、不満を抱く人も少なからずいるのが実情です。

パートタイム労働者がその能力を有効に発揮するためには自分の待遇について納得して働くことが重要です。

平成20年4月から施行された改正パートタイム労働法も踏まえ、パートタイマーに適用する就業規則を作成していない会社は整備を、すでに作成している会社も一度見直しをされてはいかがでしょうか…。


       


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