社会保険労務士 尼崎 ‐ 中薗総合労務事務所

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育児・介護休業法の改正(H22)
労働社会保険レポート!

今回のレポートは、一部を除き平成22年6月30日(常時100人以下の労働者を雇用する中小企業については公布日(平成21年7月1日)から3年以内の政令で定める日)から施行される改正育児・介護休業法についてレポートします。

改正のポイントは、大きく5点あります。

目次

  1. 短時間勤務制度及び所定外労働(残業)免除の義務化
  2. 子の看護休暇制度の拡充
  3. 父親の育児休業の取得促進
  4. 介護休暇の新設
  5. 法の実効性の確保

注) このレポートは 2010年1月28日現在 の法令に基づき作成されています。


1. 短時間勤務制度及び所定外労働(残業)免除の義務化

(1) 短時間勤務制度について

3歳までの子を養育する労働者が希望すれば、利用できる短時間勤務制度(1日6時間)を設けることが事業主の義務になります。

なお、短時間勤務制度については、1日6時間とする制度のほか、いくつかのコースを設けることも可能です。

(2) 所定外労働(残業)の免除について

3歳までの子を養育する労働者は、請求すれば所定外労働(残業)が免除されます。

ただし、雇用期間が1年未満の労働者など労使協定により対象外とされた労働者については適用されません。


2. 子の看護休暇制度の拡充

子の看護休暇の取得可能日数が、小学校就学前の子が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日になります。

これまでは、労働者1人あたり年5日となっていました。


3. 父親の育児休業の取得促進

(1) パパ・ママ育休プラス

父母ともに育児休業を取得する場合の休業可能期間が、子が1歳2ヶ月に達するまでに延長されます。

(2) 出産後8週間以内の父親の育児休業取得の促進

これまで育児休業は、配偶者の死亡等の特別な事情がない限り再度の取得は不可能でしたが、配偶者の出産後8週間以内に父親が育児休業を取得した場合には、特別な事情がなくても再度の取得が可能となります。

(3) 労使協定による専業主婦(夫)除外規定の廃止

労使協定を定めることにより、配偶者が専業主婦(夫)や育児休業中である場合などの労働者からの育児休業申出を拒める制度がありましたが、この制度が廃止され、専業主婦(夫)を含めすべての労働者が育児休業を取得できるようになります。


4. 介護休暇の新設

労働者が申し出ることにより、要介護状態の対象家族が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日の介護休暇を取得できるようになります。ただし、雇用期間6ヶ月未満の労働者等、労使協定によって適用除外の場合があります。

なお、介護休暇に加え現行の介護休業も従来通り取得できます。

要介護状態とは?
負傷・疾病、身体上・精神上の障害により2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態。
対象家族とは?
配偶者(事実婚含む)、父母、子、配偶者の父母、同居かつ扶養している祖父母、兄弟姉妹、孫。

5. 法の実効性の確保

(1) 苦情処理・紛争解決の援助及び調停の仕組みの創設

育児休業の取得等に伴う労使間の紛争等について、都道府県労働局長による紛争解決の援助、調停委員による調停制度が設けられます。

(2) 公表制度・過料制度

法違反に対する勧告に従わない企業名の公表制度や、虚偽の報告等をした企業に対する過料制度が新たに設けられます。


あとがき

昨今では、少子化対策やワーク・ライフ・バランス(仕事と家庭の両立・調和)という考え方のもと、国を挙げて育児を支援していこうという動きがあります。

一方では、中小・零細企業や収益が逼迫している企業にとっては「とてもそれどころではない。」という意見もよく聞かれます。

今回の法改正は、中小企業については猶予期間が設けられていますが、いずれ対象となると考えられます。

制度に対する異論の有無は別として、ルールはルールとして施行されるわけですので、対応や準備は必要となってくるでしょう…。