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今回は、労働基準法の中でも重要な「賃金」に関する基本ルールについてレポートします。
賃金については、押さえておくべきポイントが数多くありますが、特に必要と思われる7項目について解説します。
注) このレポートは 2007年2月15日現在 の法令に基づき作成されています。
そもそも、賃金とは何なのか? どこまでが賃金と判断されるのか? について解説します。
労働基準法では、賃金について「賃金、給料、手当、賞与等の名称を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの」と定義しています。
しかし、現実には、賃金に当たるのかどうか迷うもの(各種手当等)が多々あります。
法律的には、概ね次のように判断されています。
<注意>
税法と社会保険では、賃金に該当するかについて、それぞれ異なった解釈がなされますのでご注意ください。
賃金の支払については、次のような5原則と例外が定められています。
賃金の最低基準は、「最低賃金法」により地域別、産業別に定められています。
〔参考〕 便利ツール ⇒ 「最低賃金(都道府県別一覧)」へ
時間外労働(残業)に対する割増率は、次のように定められています。
割増賃金の計算では次のものは除外されます。
使用者の都合により労働者を休ませた場合は、使用者に休業手当の支払義務が生じます。
主な注意点は、次の通りです。
出来高払制、請負制で使用する労働者に対しては、労働時間に応じた一定額の賃金を保障しなければなりません。つまり、極端な例では「出来高0=賃金0」は、法律上は認められていませんのでご注意ください。
制裁等で減給する際は、無制限にできるわけではなく、次の基準を超えてはならいとされています。
いかがでしたでしょうか…?
賃金については、「使用者と労働者の合意があれば、何でも出来るのではないか?」と思われる方がいらっしゃるかもわかりませんが、労働基準法では、基本的に労働者を経済的弱者として保護する立場をとっています。
したがって、使用者(会社)が労働者を雇用しているという強者の立場を利用して、何でも自由に決めてしまうことに一定の制限をかけていると認識しておきましょう。
ただし、一方では ノーワーク・ノーペイの原則 という考え方があり、労働者が現実に働いた部分については、当然それに見合った賃金を支払う義務が生じますが、現実に働いていない部分まで必要以上に保護することはないとされていますので、その点を最後に補足します。