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今回は、「1ヶ月単位の変形労働時間制」についてレポートします。
労働時間の原則は、皆様ご存知のように「1日8時間、1週40時間」です。
しかし、実際には、この原則通りの運用が難しい事業所が多く存在します。
では、そのように運用が難しい事業所は、どのようにすればよいのでしょうか…?
解決手法の選択肢として考えられるのが、「1ヶ月単位の変形労働時間制」の導入です。
なお、変形労働時間制には、この他にも「1年単位」、「1週間単位」、「フレックスタイム制」などがありますが、それらは順次、別のレポートでご紹介していきます。
注) このレポートは 2007年8月25日現在 の法令に基づき作成されています。
使用者は、労使協定又は就業規則等により、1ヶ月以内の一定期間を平均し1週間当たりの労働時間が法定労働時間(原則40時間)を超えない定めをした場合は、特定された週又は日において、法定労働時間を超えて労働させることができる。
労使協定とは、
との書面による協定のことをいいます。
1ヶ月単位の変形労働時間制の導入に際して定める事項を、労使協定又は就業規則等のいずれに定めるかについては、最終的には使用者が決定できるとされています。(行政通達)
ただし、労使協定の効力は、労基法に違反しないという免罰効果に過ぎないため、労使協定により導入した場合は、就業規則等にも定める必要があるとされています。(行政通達)
この労使協定は、必ず行政官庁(労基署)に届け出なければならないとされており、違反した場合には罰則(30万円以下の罰金)の定めもあります。
労使協定において定めるべき事項は、変形期間の起算日を含め、就業規則等で定めるべき事項と基本的には同じです。
ただし、労使協定の場合には、有効期間の定めが必要となります。
就業規則等という表現になっているのは、就業規則の作成義務のない常時10人未満の労働者を使用する事業所では、就業規則に準じた文書に定めれば、1ヶ月単位の変形労働時間制を導入できるためです。
なお、就業規則や就業規則に準じた文書は、社員に周知しなければ効力を生じないとされていますので、「周知義務」にご留意ください。
さらに詳しい内容は、次のリーフレットでご確認いただけます。
1ヶ月単位の変形労働時間制は、1ヶ月のうち特定の日又は週だけ忙しいという場合に、その導入効果を発揮します。
例えば、「1日8時間 × 1ヶ月20日=月160時間労働の場合」で考えると、1ヶ月トータルでは160時間以内に収まるのに、繁忙日だけは、どうしても8時間を超えて労働させたいという場合に、この制度を導入することで、1ヶ月を平均して週40時間という範囲を超えなければ、例えば、ある日は10時間労働する代わりに、別の日に7時間労働に短縮するなど、弾力的な労働時間の設定ができるようになります。
実際の導入に当たっては、従業員の納得を得ることが重要となりますので、必要に応じて説明書やマニュアルを作ったり、会議や朝礼、ミーティング等を活用して十分に説明されるとよいでしょう。