中薗総合労務事務所

   

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労働時間、休憩・休日
労働社会保険レポート!

今回は、労働基準法の中でも重要な「労働時間」等について、最低限知っておきたい事項をレポートします。

<目次>

  1. 法定労働時間
  2. 休憩時間・休日
  3. 時間外労働

注) このレポートは 2007年2月17日現在 の法令に基づき作成されています。


1. 法定労働時間

法定労働時間には、原則と例外があります。

また、法定労働時間のルールが適用されない方(除外者)もいらっしゃいますので押さえておきましょう。

1-1. 原則

1週40時間、1日8時間 (休憩時間を除く)

1-2. 例外

1週44時間、1日8時間 (休憩時間を除く)
ただし、例外が適用されるのは、従業員10人未満の次の4業種になります。

  • 商業
  • 映画・演劇業
  • 保健衛生業
  • 接客娯楽業

1-3. 適用除外

次の方は、法定労働時間の適用から除外されています。

したがって、労働時間1日8時間という制限はなくなりますが、まったく無制限に就業可能というわけではなく、深夜業や年次有給休暇などの規定は適用されます。

  • 農水産業の従事者(林業は除く)
  • 管理監督者・機密事務の取扱者(例:部長・工場長等の管理職、秘書など)
  • 監視・断続的労働の従事者(例:行政官庁の許可を受けた住込み寮長など)

2. 休憩時間・休日

ここでは、休憩時間の原則、休日に関する原則と例外、振休(振替休日)と代休の違いについてご説明します。

2-1. 休憩時間の原則

  • 労働時間6時間超の場合 → 45分以上の休憩が必要
  • 労働時間8時間超の場合 → 60分以上の休憩が必要

では、労働時間8時間ちょうどの場合はどうなるのでしょうか…?

答えは、「45分以上」の休憩が必要ということになります。

60分以上の休憩が必要なのは8時間超の場合、つまり、8時間と1秒からということになります。

間違えやすいところですので、ご注意ください。

2-2. 休日の原則と例外

  • 原則 : 毎週1日
  • 例外 : 4週間で通算4日以上

つまり、1週間に最低1日(例:日曜日)は休みを確保する必要があるわけですが、業務の繁閑などによりそれができない場合は、4週間でトータルして最低4日の休日を確保しなければならいということになります。

なお、変形労働時間制(1ヶ月単位・1年単位・1週間単位・フレックス制など)を採用している場合は別途、連続して労働できる日数の制限等が設けられていますのでご注意ください。

2-3. 振休(振替休日)と代休の違い

  • 振休 → 休日出勤する前に、あらかじめ休日出勤の替りの休日を決めておく場合。
  • 代休 → 休日出勤した後に、その代わりの休日を与える場合。

つまり、「振休」は、替りの休日をあらかじめ保証していますので、直ちに割増賃金の支払義務が生じるわけではありませんが、「代休」は、代わりの休日が保証されていないため、休日出勤した時点で、既に割増賃金の支払いが必要とされています。

休日労働が突発的に発生するのは、企業であれば致し方ないことです。

ただ、その代わりの休日を事前に決めておくか否かで、こうした違いがありますので気をつけておきましょう。


3. 時間外労働

時間外労働についても、原則と例外があります。

また、時間外労働には、上限(限度時間の基準)が設けられていますので注意しましょう。

3-1. 原則

法定労働時間(1週40時間、1日8時間)を超えて労働させることはできません。

3-2. 例外

労使協定(36協定)を締結することで、その取り決めた範囲内で時間外労働をさせることが可能となります。

〔補足〕 36協定とは?

労働基準法第36条で定められた時間外労働に関する労使協定のことで、会社は労働者の過半数を代表する者(例:労働者の過半数以上で組織する組合の長など)との間で1年に1回、時間外労働に関する取り決めを行い、労働基準監督署に届出なければなりません。


3-3. 時間外労働の上限(限度時間の基準)

36協定を締結する際の時間外労働の限度時間は、次のように定められています。
→ 1週15時間、1ヶ月45時間、3ヶ月120時間、1年360時間
(*変形労働時間制を採用する場合は、これと異なります。)

したがって、36協定を締結する際は、これらの限度時間を超えないようにしなければなりません。


あとがき

「ホワイトカラー・エグゼンプション」という言葉をご存知でしょうか?

これは、ホワイトカラーを中心に、労働の成果を時間で計れないような職種については、一定の年収以上であることを条件に、労働時間や残業という概念から除外しようという考え方です。

しかし、わが国では、現実的にはまだまだ労働時間に基づいて賃金が支払われている職種が多数存在していますので、本格的な導入には時間がかかる状況と言えます。

これらの動きにも現れているように、この先、労働時間に関するルールは、時代の変化とともに修正されていくものと思われますので、最新情報の把握に努めましょう。