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事務所通信「月刊 人とみらい」2018年3月号より抜粋してご紹介します。
A社の女子事務従業員Bは、会社の承諾なく、深夜24時までの6時間、キャバレーで働いていました。
これを知った会社は、就業規則の兼業禁止規定に違反するとしてBを解雇。
解雇処分を不服としたBは、解雇の取り消しと賃金支払いを求めて訴訟を起こしました。
公務員と異なり、私企業の労働者は兼業が法的に禁止されていないため、就業時間外は労働者の自由な時間であり、就業規則の兼業禁止規定は合理性を欠くと裁判官は前置きしました。
しかし、本来は精神的・肉体的回復のため休養に用いる時間を別の就業に充てており、しかもその労働時間が6時間という長時間に亘るため、A社での労務の提供に影響を及ぼす可能性が高く、Bが無断で兼業したことを理由に会社が解雇したことは不当ではないとしました。
厚生労働省は「働き方改革」で副業を推進しています。
しかし、会社はすべての副業を容認しなければならないかと言えば、そうではありません。
従業員の副業が本業に支障をきたさないか、あるいは従業員の健康に影響を及ぼさないか、さらに副業の内容が会社の秩序や対外的信用を損なうものではないか等を十分に吟味する権利が、会社にはあると考えてよいでしょう。
また、複数の会社で働く場合、残業割増賃金の支払い方法や労災補償なども複雑になります。
副業の申請があった場合、そのあたりもきちんと話し合うことをお勧めします。
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取締役 吉松 正人
(社会保険労務士)