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事務所通信「月刊 人とみらい」2018年1月号より抜粋してご紹介します。
外資系企業F社では、就業規則において、日本の祝日以外に社員の誕生日やメーデー、クリスマスなどを会社休日と定めていました。
しかしある日、これらの会社休日を削除した就業規則に変更し、その旨を告知すると共に、変更後の就業規則を誰もが閲覧できる状態にしました。
社員Aらは、休日の削除には合理性がないとして提訴しました。
F社の従業員は、会社休日を従前から行使していたことから、既得権として労働条件の一部となっていたことは明らかです。
また、休日が廃止されて年間の所定労働時間が増加したこと、労働時間増加に見合う賃金の増加はなされていないことから、会社休日の削除は実質的な賃金カットであり、労働条件の不利益変更であるとしました。
このため、F社の従業員は、削除された会社休日を従来通り行使できるようになりました。
一般的な会社ではクリスマスは休日ではなく、常識に照らせば「休日削除は妥当」の判決でも不思議ではありません。
しかし、裁判では「代償措置」がとられたかどうかが争点となり、会社側は「有給休暇を取得すればいい」と対抗しましたが、「それとこれとは話が別」と退けられました。
仮に年3日労働日が増えると労働時間は24時間増加します。
正社員の給料を時給1,500円と少なめに見積もっても36,000円となり、看過できない金額です。
「働き方改革」で労働時間を短縮するのは良い傾向ですが、不用意に所定労働時間を減らしてしまうと元に戻せなくなるので注意が必要です。
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取締役 吉松 正人
(社会保険労務士)