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事務所通信「月刊 人とみらい」2017年9月号より抜粋してご紹介します。
原告Xさんは、K校の社会科教員として採用されましたが、採用前、K校側から、当初の1年間は契約社員として雇用し、この間の勤務状態を見て無期雇用するかどうかを判定するとの説明がありました。
Xさんもこれを了承し、採用内定を受けていたC学園への就業を辞退した上で契約書に署名。
しかし1年後、K校側から雇用契約を終了する旨の通知があったため、Xさんはこれを不服とし、地位確認の訴えを起こしました。
高等裁判所では、「雇用契約は終了した」との判決がなされましたが、Xさんが上告したところ、最高裁判所では、有期契約の目的が労働者の適性を評価するためのものであるときは、契約期間は「試用期間」とみなされる、としました。
試用期間である以上、解約権行使(=本採用しないこと)にあたっては通常の解雇と同じく、客観的合理性があり社会通念上相当とされる場合のみ許されると判断しました。
半年ないし1年の契約期間を設け、その期間を試用期間とする企業は少なくありません。
無期雇用とした場合は、たとえ勤務成績のよくない労働者であっても簡単には解雇できませんが、有期契約であれば解雇することなく、「雇い止め」できるからです。
しかし、労働者が「必ず正社員になれる」と期待するような説明をしてしまうと、契約満了時にトラブルになりかねません。
「契約期間=試用期間」のような雇用契約は避けた方が無難です。
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取締役 吉松 正人
(社会保険労務士)