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同一労働同一賃金に関して、先般、注目されていた判決が出ましたのでご紹介します。
この訴訟は、日本郵便の契約社員8名が、正社員と同じ仕事をしているのに手当などに格差があるのは違法だとしていたものですが、これまでになかった論点もいくつか争われたようで、その結果が注目されていました。
今回の判決を簡単にまとめると、以下のようになります。
写真では「勝利判決」等となっていますが、中身をよくよく見ると、全ての要求が認められたわけではなく、そこがポイントと言えます。
- 不合理な労働条件の相違と認められたもの
- 扶養手当、住居手当、年末年始の勤務手当の支給
- 不合理な労働条件の相違と認められなかったもの
- ボーナスや休暇の格差解消 → 職務内容や責任に差があるとして退けた
将来にわたり正社員と同じ待遇を受ける地位にあることの確認 → 必要性が認められないと却下した
この種の問題は、明確な線引きが難しく、どこにその判断基準があるのか、いま一つわかり難い感は否めません。
ただ、こうした判決の積み重ねこそが、例えば、現行の「労働契約法」のように、いずれ法制化へつながっていくものと思われます。
話を今回の判決に戻すと、やっている業務は、表面上は同じであっても、責任の重さ等まで考えていくと、どこからが「同一労働」と言えるのか判断するのは、やはり難しいだろうなと改めて感じます。
私は、かねてより同一労働同一賃金の最大の着眼点は、「同一労働をどのように定義づけるか?」だと考えていましたが、この辺は、依然として様子を見ていかなければならなさそうですね…。
近況など ~本棚設置の巻
あらためまして、こんにちは!
特定社会保険労務士の中薗です。
3月に入って、すっかり厳しい寒さも和らぎ、春はすぐそこまで来ているのだなぁ~と感じる今日この頃です。
と同時に、花粉症の季節でもあります。。。
ちなみに、私の場合は、2~3年前からそれらしい症状が出始めているものの、時季的には少し遅れてくるので、杉が原因ではなさそうです。
今年も、今のところは全く問題ないものの、もう暫くするとどうなるのか、少し気になっています。
▽▽▽
さて、事務所の近況ですが、今日は”舞台裏”を少しご紹介します。
それは、私が20歳代半ば頃から読んできた中で、これは役に立ったという本などを集めた 本棚 を事務所内に新たに設置したというものです。
7:2:1の理論 というのがあるそうです。
この理論によると、人の成長を決める要素の比率は、「70%は仕事経験から」、「20%は他者から」、「10%は研修や書籍から」だそうです。
つまり、先般は「社労士育成プロジェクト」をリニューアルし、今度は「書棚」を設置したのですが、これらは結局、スッタフの成長にとっては10%程度の影響力しかないのかも知れません。
しかし、この本棚には、以前からあった実務関連の本はさておき、私がこれまで困った際に、幾度となく何かを語りかけ、助けてきてくれた、名経営者が書かれた名著なども厳選して揃えてみましたので、困った時こそ何かの役に立ってくれると信じています。
手垢だらけの本があったりして、本当は恥ずかしくて、他人には見せたくない本もあったのですが、スタッフさん達の成長の一助になればとそんな恥は省みず、自分で本棚の組立てからやっちゃいました。
さすがに、すぐさま皆の成長に結びつくとは考えていませんが、それぞれの長い人生の中で、出会えてよかったと思える本に、1冊でも多く出会えてもらえたら、また、そのきっかけとなってくれれば、この上ない喜びだと思っています。
自宅に何百冊とある本の中から、どの本をこの限られたスペースに置こうかと考えていくと、出てくるわ、出てくるわで、絞り込むのが大変なのが実情ですが…