ニュース&コメント
厚生労働省より平成28年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果が公表されました。
今回の重点監督は、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や、若者の「使い捨て」が疑われる事業場など、労働基準関係法令の違反が疑われる7,014事業場に対して集中的に実施され、結果は、4,711事業場(全体の67.2%)で労働基準関係法令違反があり、そのうち2,773 事業場(39.5%)で違法な時間外労働が認められたため、それらの事業場に対して、是正に向けた指導が行われたとのことです。
なお、厚生労働省では今後も、月80時間を超える残業が行われている事業場などに対する監督指導の徹底をはじめ、長時間労働の是正に向けた取組を積極的に行っていくとのことです。
重点監督の結果のポイント
Ⅰ.重点監督の実施事業場 : 7,014事業場
このうち、4,711事業場(全体の67.2%)で労働基準関係法令違反あり。
Ⅱ.主な違反内容
- 違法な時間外・休日労働があったもの : 2,773事業場(39.5%)
うち、時間外・休日労働(※1)の実績が最も長い労働者の時間数が
1か月当たり80時間を超えるもの : 1,756事業場(63.3%)
うち、月100時間を超えるもの : 1,196事業場(43.1%)
うち、月150時間を超えるもの : 257事業場(9.3%)
うち、月200時間を超えるもの : 52事業場(1.9%)- 賃金不払残業があったもの : 459事業場(6.5%)
- 過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの : 728事業場(10.4%)
Ⅲ.主な健康障害防止に係る指導の状況
- 過重労働による健康障害防止措置が 不十分なため改善を指導したもの : 5,269事業場(75.1%)
うち、時間外労働を月80時間(※2)以内に削減するよう指導したもの : 3,299事業場(62.6%)- 労働時間の把握方法が不適正なため 指導したもの : 889事業場(12.7%)
(※1)
法定労働時間を超える労働のほか、法定休日における労働も含む。
(※2)
脳・心臓疾患の発症前1ヶ月間に概ね100時間又は発症前2ヶ月間ないし6ヶ月間にわたって、1ヶ月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いとの医学的知見があるため。
実は、このデータは、セミナーや研修講師を務める際によく引用させてもらっています。
で、今日は目に留まったので取り上げてみました。
確か、前回(昨年)のデータでは、是正勧告を受けた事業所の割合は75%弱で、依然として高水準にはあるものの、7~8ポイントも改善しているようです。
その背景には、人手不足のご時世にあって、ブラック企業の噂がたったり、レッテルを貼られてしまうと、採用に支障をきたすという事情があるのではないかと推察されます。
いずれにしても、こうした労務管理を改善していこうとする傾向は益々鮮明になっていくものと思われますので、経営者の皆様としては、こうした動向に乗り遅れないようにすることが大切ではないかと感じました。
近況など
あらためまして、こんにちは
特定社会保険労務士の中薗です。
今年は、事務所のテーマとして
を掲げていますが、日に日に有言実行に移していっています。
昨年の阪神、金本監督の「超変革」ほどではないにせよ、本当に日々新たな、様々な取り組みを行っています。
人生にライフステージというものがあるように、事業にも「生業⇒家業⇒企業」といった成長ステージがあると思います。
私どもの事務所に置き換えると、家業から企業へ脱皮するために、いま色々な試みに挑戦しているところなのかも知れません。
スタッフの皆さんにとっては、変化のスピードが半端でなく、そして安住が許されない、ある意味「酷な話」なのかも知れませんが 、その先にあるものを見据えながら、志を高くもって、着いてきてもらえたらと願っています。
自身の意識を変えることは、自分のこと、自分だけの問題なので、自己完結できる話なのですが、組織変革はそうはいきません。
皆さんの協力があってこそ成し得ることなので、だからこそ共に成長できた時には、喜びもひとしおなのではないかと想像しています。
とにかく今は、そんな姿を想い描きながら、前を向いて頑張るしかない! と考えています。