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日本生産性本部が主催した新社会人向けの研修において、今年の新入社員1286人にアンケートを実施したところ、「人並みに働けば十分」と答えた人は約6割にのぼる58.3%(前年比4.8ポイント増)だったそうです。
また、目指すポストについて「社長」と答えた人は10.8%と過去最低で、10年前に比べると7.0ポイントも減ったとのことです。
働く目的については、次のようになっており
- 「楽しい生活をしたい」41.7%(前年比4.7ポイント増)過去最高
- 「自分の能力をためす」12.4%(前年比1.0ポイント減)過去最低
日本経済新聞は、『仕事に積極的に挑戦するというより、私生活とのバランスを重視する様子がうかがえる。』としています。
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普段、人事制度の設計に携わりながら薄々は感じていた傾向ですが、まさにこの数字は現代の豊かさ、裕福さ、そして危機感の欠如を如実に示しているのかも知れません。
いわゆる平和ボケの象徴でしょうか…。
人事制度においては、インセンティブ(刺激給)や成果給・歩合給などを支給することによって社員のモチベーションが上がり、業績向上効果が期待できた時もありましたが、今はそのような給与を支給するといっても社員の興味や関心を惹くこともなく、殆ど機能しなくなっています。
何せ、裕福とは言えないまでも、生活には困っておらず、ハングリー精神や強烈な向上心を持つ必要性がないのですから。
むしろ、少しずつでいいから安定的に給与が上がっていくような仕組み、つまり、年齢給や勤続給をベースに家族手当や住宅手当を付加していくような仕組みが好まれています。
こうした状況は、企業にとってはモチベーションアップに苦心する点もさることながら、人材育成にも支障をきたしてくるので厄介です。
人材育成には3つの力「育つ力・育てる力・育む力」が必要と言われていますが、まずは本人が自ら成長したいと思う「育つ力」が不可欠だと思います。
ここが欠如していると、いくら人材を育てようと企業側が躍起になっても、当の本人がその気がないわけですからなかなか実を結びません。
平和で、裕福な状況はありがたいですが、そこに甘えていては社会全体が活力を失い、いずれ衰退していくような、いささかの危機感すら覚えます。
ですので、これからの人材育成にまず必要なのは、幕末志士が抱いたであろう「危機感」や「志」などの精神を、いかに一人ひとりに植え付けていくか? ではないでしょうか…。
今日は、ここ最近、人事労務に関して報じられていた数ある記事の中で、特に気になったものを取り上げてみました。
ややオーバーに書き過ぎているのかもわかりませんが、その辺はご容赦ください。
近況など
あらためまして、こんにちは
特定社会保険労務士の中薗です。
日に日に暑さが増しており、今年の夏は暑さとの戦いになりそうですね。
私の夏バテ防止策は、お酒を控える! 特に深酒を慎む! (但し、ビールは除く。)といったところです…。 f(^^;
あとは、毎週日曜日にスポーツジムで1キロ泳ぐことを続けることです (^^)v
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事務所の近況はと言いますと、長らく取り組んできた労働保険の年度更新や社会保険の算定基礎が、ようやく最終段階まで辿り着いたところです。
通常業務に加えて、これらの事務量も年々増えていますので、スタッフもさぞ大変だったと思います。
時には叱咤激励? を受けながらも、よく頑張ってくれたと感謝しているところです。
で、私はその合間をぬうように東京や名古屋への出張があったりして、相変わらずのバタバタぶりなのですが、そんな時だからこそ、一つひとつの仕事に丁寧に取り組んでいきたいと考える今日この頃です。
いつ経営が傾いてもおかしくないという「危機感」を抱きながら…。