中薗総合労務事務所

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労働基準法の罰則Ⅰ
労働社会保険レポート!

今回は、罰則という観点から労働基準法の各規定をご紹介していきます。

労働基準法は、労働者保護のために設けられた「強行法規」であるとされており、当事者の合意の有無にかかわらず適用されます。

また、労動基準法は必ず守らなければならない強行法規であるが故に、違反行為があった場合には罰則が設けられています。

具体的には、違反内容の重軽によって4種類の罰則が規定されているのですが、中には懲役刑も定められており、労働者を使用する以上「知りませんでした。」では済まされない事態に陥ることも考えられます。

労務管理に携わられている方は十分ご注意ください。

≪目次≫

  1. 1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金
  2. 1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
  3. 6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金

注) このレポートは 2007年10月25日現在 の法令に基づき作成されています。


1. 1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金

次の規定に違反した場合は、1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金に処せられることがあります。

強制労働の禁止

使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。


2. 1年以下の懲役又は50万円以下の罰金

次の(1)~(5)の規定に違反した場合は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられることがあります。

(1) 中間搾取の排除

何人も、法律に基づいて許される場合のほか、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。なお、法律に基づいて許される場合とは、職業安定法及び船員職業安定法に規定する有料職業紹介事業のことをいう。

(2) 最低年齢

使用者は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、これを使用してはならない。(例外あり)

(3) 年少者の坑内労働の禁止

使用者は、満18歳に満たない者を坑内で労働させてはならない。

(4) 女性の坑内労働の禁止

使用者は、満18歳以上の女性を坑内で労働させてはならない。

(5) 年少者の職業訓練者の坑内労働に関する特例

職業能力開発促進法の認定を受けて行う職業訓練を受ける労働者について必要がある場合においては、その必要の限度で別段の定めをすることができる。ただし、満16歳に満たない者に関しては、この限りでない。


3. 6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金

次の(1)~(18)の規定に違反した場合は、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられることがあります。

(1) 均等待遇

使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。

(2) 男女同一賃金の原則

使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱をしてはならない。なお、差別的取扱とは不利に取扱う場合のみならず、有利に取扱う場合も含む。

(3) 公民権行使の保障

使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない。

(4) 賠償予定の禁止

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

(5) 前借金相殺の禁止

使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。

(6) 強制貯金

使用者は、労働契約に付随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない。

(7) 解雇制限

使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間、並びに産前産後の女性が休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。

(8) 解雇予告

使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前に解雇予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。

(9) 法定労働時間

使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて労働させてはならない。また、使用者は、1週間の各日については、労働者に休憩時間を除き1日について8時間を超えて労働させてはならない。

(10) 休憩

使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分、8時間を超える場合においては少くとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。また、休憩時間は、一斉に与えなければならない。

(11) 休日

使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない。

(12) 時間外・休日及び深夜の割増賃金

使用者が、労働時間を延長し又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率(延長した労働時間の労働については2割5分、休日の労働については3割5分)以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。また、使用者が午後10時から午前5時(地域・期間により午後11時から午前6時)までの間において労働させた場合は、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

(13) 年次有給休暇

使用者は、その雇入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。

(14) 年少者の深夜業

使用者は、満18歳に満たない者を午後10時から午前5時(地域・期間を限って、午後11時から午前6時)までの間において使用してはならない。ただし、交代制によって使用する満16歳以上の男性については、この限りでない。

(15) 年少者の危険有害業務の就業制限

使用者は満18歳に満たない者を、危険な業務又は厚生労働省令で定める重量物を取り扱う業務に就かせてはならない。また、使用者は満18歳に満たない者を、有害な原料等を取り扱う業務、その他安全、衛生又は福祉に有害な場所における業務に就かせてはならない。

(16) 産前産後休業

使用者は、6週間(多胎妊娠の場合14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。また、使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは差し支えない。

(17) 妊産婦の時間外労働等

使用者は、妊産婦が請求した場合においては1ヶ月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制及び1週間単位の非定型的変形労働時間制の規定にかかわらず、1週間又は1日について法定労働時間を超えて労働させてはならない。

(18) 監督機関に対する申告をした労働者に対しての不利益扱い等

事業場に、労働基準法又は労働基準法に基いて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。そして、使用者は、当該申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならない。


あとがき

労働基準法の違反行為は、事業主本人より、その代理人や事業主に使用される管理・監督者などによって行われることが多いため、事業主が直接違反行為者でなくても、処罰される「両罰規定」が設けられています。

事業主は、違反行為を配下に強要した場合はもちろんのこと、

  1. 違反の計画を知りながらその防止に必要な措置を講じなかった場合
  2. 違反行為を知りながらその是正に必要な措置を講じなかった場合
  3. 違反を教唆した場合

も行為者として処罰されますのでご注意ください。

※ 続きはこちら ⇒ 「労働基準法の罰則Ⅱ」へ