中薗総合労務事務所

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パートタイム労働法の改正(H20)
労働社会保険レポート!

中薗総合労務事務所がお届けする労働・社会保険関連の 実務レポート100選 です。
※ 各レポートは、作成日(又は改訂日)現在の法令に基づき作成されていますのでご注意ください。

今回は、パートタイム労働法の改正についてレポートします。

この法改正は、雇用・労働環境の変化や格差是正の問題を踏まえた大きな改正と言えます。

施行は平成20年4月1日からですが、対応するとなると一朝一夕にはいかない部分も多く含まれていると思います。

事業主のみなさまにとっては大変な、パートタイマーのみなさまにとっては喜ばしい法改正となりますが、これを機会に「働きやすい職場環境の整備」に取り組まれてはいかがでしょうか・・・。

なお、今回のレポートは、主に厚生労働省のホームページより引用し、まとめています。

≪目次≫

  1. パート労働者とは(第2条)
  2. 改正のポイント
  3. その他

注) このレポートは 2007年8月21日現在 の法令に基づき作成されています。


1. パート労働者とは(第2条)

パートタイム労働法の対象である「パート労働者」は、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される正社員の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」とされています。

例えば、パートタイマー、アルバイト、嘱託、契約社員、臨時社員、準社員など、呼び方は異なっても、この条件に当てはまる労働者であれば、「パート労働者」としてパートタイム労働法の対象となります。


2. 改正のポイント

(1) 雇い入れの際は労働条件を明確に!雇い入れ後も待遇の説明を!

  • 労働基準法により労働条件の明示が文書の交付によって義務づけられている事項に加え、一定の事項について、文書の交付等による明示が義務化されます。違反の場合は過料(10万円)に処せられます。
  • 雇い入れ後、パート労働者から求められたとき、待遇を決定するに当たって考慮した事項を説明することが義務化されます。
〔参考〕 説明義務が課せられる事項とは?

説明義務が課せられる事項には、次のものがあります。

  1. 労働条件の明示
  2. 就業規則の作成手続
  3. 待遇の差別的取扱い
  4. 賃金の決定方法
  5. 教育訓練
  6. 福利厚生施設
  7. 正社員への転換を推進するための措置

(2) パート労働者の待遇は働き方に応じて決定を!

パート労働者は、繁忙期に一時的に働く者から正社員と同様の仕事に従事し長期間働く者までその働き方は様々です。

このため改正法では、パート労働者の待遇を正社員との働き方の違いに応じて均衡(バランス)を図るための措置を講じるよう規定しています。

具体的には、

  • 職務
  • 人材活用の仕組み
  • 契約期間

の3つの要件が正社員と同じかどうかにより、賃金、教育訓練、福利厚生などの待遇の取扱いをそれぞれ規定しています。

(3) パート労働者から正社員へ転換するチャンスを!

正社員への転換を推進するための措置を講じることが義務化されます。

(4) パート労働者からの苦情の申し出に対応を!

  • パート労働者から苦情の申し出を受けたときは、事業所内で自主的な解決を図ることが努力義務化されます。
  • 紛争解決援助の仕組みとして、都道府県労働局長による助言、指導、勧告、紛争調整委員会による調停が設けられます。
〔参考〕 紛争解決援助の対象となる苦情・紛争とは?

対象となる苦情・紛争には、次のものがあります。

  1. 労働条件の明示
  2. 待遇に関する説明
  3. 待遇の差別的取扱い
  4. 職務遂行に必要な教育訓練
  5. 福利厚生施設
  6. 正社員への転換を推進するための措置

3. その他

(1) 労働条件の不利益変更について

正社員、パート労働者にかかわらず、労働条件を事業主が合理的な理由なく一方的に不利益に変更することは許されません。労働条件を見直す際は、労働者とよく話し合ったうえで進める必要があります。

(2) 奨励金の支給について

母子家庭母の常用雇用の促進を図るため、地方公共団体において、パート労働者等で雇用している母子家庭の母を常用雇用に転換した場合の事業主向け奨励金制度が設けられています。
※ 詳細はこちら ⇒ 「都道府県母子福祉行政主管課外部リンク」へ


あとがき

近年、少子高齢化の進展とともにパートタイマーの労働力は企業にとって欠かせないものとなってきました。

しかし、現実的には、これまでは「パートは雇用の調整弁」などと言われ、決して待遇面では恵まれていませんでした。(最近でこそ大手企業を中心に待遇改善が進んできましたが・・・。)

今回の法改正は、パートタイマー数が増加したことなどを受けて行われるものですが、法改正の有無を抜きにしても企業活力、ひいては社会そのものの活力を維持していくためにも、真剣に取り組んでいかなければならないテーマなのではないでしょうか?


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