中薗総合労務事務所

人事労務の問題解決!尼崎・神戸・大阪の社会保険労務士(社労士)

TEL. 06-6430-6318

〒660-0054 兵庫県尼崎市西立花町3-4-1 パークビル201

就業規則作成のポイント(Q&A)
労働社会保険レポート!

中薗総合労務事務所がお届けする労働・社会保険関連の 実務レポート100選 です。
※ 各レポートは、作成日(又は改訂日)現在の法令に基づき作成されていますのでご注意ください。

御社の就業規則は、市販の書籍等に掲載されているサンプルをそのまま使っていませんか?
または、親会社等の就業規則を丸写しにしていませんか?

皆さんもご存知のように、就業規則は会社の実情に即したものでなければ、いざ問題(労働トラブル)が起きた時に役立ちません。

今回のレポートは、就業規則を作成したり、見直したりする際のチェックポイントについて、一般的な就業規則の章立てに即してQ&A方式でまとめてみました。

会社をトラブルから守るために、ぜひ参考にして頂ければ幸いです。

≪目次≫

  1. 総則
  2. 人事
  3. 退職と解雇
  4. 服務規律
  5. 労働時間
  6. 休憩時間
  7. 休日
  8. 時間外及び休日労働
  9. 休暇
  10. 安全衛生
  11. 災害補償
  12. 表彰・制裁

注) このレポートは 2008年2月14日現在 の法令に基づき作成されています。


1. 総則

Q. パートタイマー、契約社員などは適用範囲から除き、別規程を設けますか?
A. パートタイマーやアルバイトなども労働者であって、これら全ての労働者に適用する就業規則を整備する必要がありますが、就労形態が違う場合は便宜上、別規程にした方がよいケースが多いです。

2. 人事

(1) 採用

Q. 採用時の提出書類(身元保証書、誓約書など)は何を求めますか?
A. 社員として使用するに当たり必要な情報の収集、本人や身元保証人の意思を確認するものですから、必要以上に個人情報に関する書類の提出を求めるべきではありません。
Q. 誓約書には、どのような内容をもり込みますか?
A. 本人の自覚を促すべき事項、あるいは転籍のように個別同意が必要な事項について確認しておくとよいでしょう。
Q. 試用期間は何ヶ月にしますか?
A. 法律上定められているわけではありませんが、あまり長期的なものは労働者を不安定な状況に置くことになるため望ましいとは言えません。

(2) 異動

Q. 出向、転籍など、将来の予測を含め何をどこまで規程する必要がありますか?
A. 異動の種類により異なります。
  • 配置転換
    配置転換とは、職場の変更のことであり、勤務地の変更が伴う場合を転勤と言います。就業規則などに定めがあれば労働契約上の同意を得ているとされています。
  • 出張
    出張とは、会社の指揮命令に従い臨時的に社外で業務に従事することです。就業規則に根拠を求めずとも有効であるとされています。
  • 出向
    出向とは、企業と労働者の雇用関係を維持したまま他の企業の社員として勤務させることです。労働者の同意が必要とされますが、包括的同意によっても承諾が得られたとされるケースがありますので、就業規則には条件や手続きを明示しておくべきでしょう。
  • 転籍
    転籍とは、企業が労働者との労働契約を終了させ、移転先との労働契約を締結させる(移籍出向)ことです。労働者の個別の同意が必要です。就業規則に転籍条件を明確にし、同意文書を求めておくべきです。

(3) 休職

Q. どのような休職事由を設けますか?
A. 一般的な休職の種類には次のようなものがあります。
  • 傷病休職・・・業務外の傷病による休職
  • 自己都合休職・・・傷病以外の自己都合による休職
  • 公務休職・・・労働基準法に定める公の職務を遂行するための休職
  • 起訴休職・・・刑事事件に起訴され、就業できない場合の休職
  • 組合専従休職・・・労働組合の職務に専従するための休職
  • 出向休職・・・業務命令により出向させる場合の休職
Q. 傷病休職の期間を何年としますか?
A. 会社の実情によって定めます。休職期間に関し賃金の有無、勤続年数への通算の可否等取り扱いも定めます。
Q. 傷病休職の復職の手続きは明確ですか?
A. 休職を認めている以上、会社の裁量で一方的に復職を拒むことはできません。一般に復職の判断は医師の診断を要するものとします。

3. 退職と解雇

Q. 退職、解雇はきちんと区分されていますか?また、退職の事由や解雇の種類で欠けているものはありませんか?
A. 労働契約の終了のうち、会社側から申し出る場合を解雇といい、解雇以外のものを退職と言います。一般的な退職の事由や解雇の種類は次の通りです。
退職の事由
  1. 自己都合退職
  2. 定年
  3. 期間を定める労働契約期間の満了
  4. 労働者の死亡
  5. 休職期間の満了
  6. 社員の行方不明 など
解雇の種類
  1. 普通解雇
  2. 整理解雇
  3. 懲戒解雇(懲戒解雇は一般的に制裁として規定します)
Q. 定年は設けますか。設けるのであれば何歳としますか?
A. 60歳を下回る定めは禁止さています。希望者については65歳までの継続雇用する努力義務があります。なお、平成18年以降は、定年の引上げ、継続雇用制度導入、定年の廃止、いずれかの措置を講じなければなりません。

4. 服務規律

Q. 服務規律に一般的な禁止事項は網羅されていますか?
A. 健康の留意など一般的な禁止事項は1つの条文の中に列挙します。セクハラの禁止など重要なものは個別詳細に規定します。
Q. 二重就業禁止や守秘義務、競業避止義務などを規定しますか?
Q. 出退勤の手続きは明確にしましたか?

5. 労働時間

Q. 始業・終業時刻は適切ですか?また、週40時間以内ですか?
A. 交替制や職種別などでは、各時間帯、職種別の始業・終業時刻を示す必要があります。パートなどは基本となる始業・終業時刻を示す必要があります。
Q. 変形労働時間制、みなし労働時間制を用いる必要はありませんか?
A. 変形労働時間制とは、一定の期間を平均し、1週間当たりの労働時間が40時間を超えない範囲であれば特定の週に40時間を超え、特定の日に8時間を超え労働させることができる制度です。みなし労働時間制とは、労働者に仕事の遂行方法を任せ、あらかじめ定められた時間働いたものとみなす制度です。

6. 休憩時間

Q. 休憩時間は適切ですか?
A. 休憩は、労働時間の途中に自由に利用させ、一斉に与えることが原則です。
Q. 一斉休憩の取り扱いに問題はありますか?
A. 一定の業種(運送業など)は、一斉に休憩を与えなくてもよいとされています。また、労使協定により一斉に与えなくてもよい場合もあります。

7. 休日

Q. 週及び年間の休日は、いつ何日与えますか?
A. 1週間について1日の休日が与えられない場合、4週間を通じ4日以上の休日を与える例外が認められています。その場合、就業規則で起算日を定め、その日から4週間ずつ区切って特定の週を明らかにする必要があります。
Q. 変形労働時間制を用いる場合、カレンダーなどで休日を定めていますか?

8. 時間外及び休日労働

Q. 管理職など時間外労働を適用しない者がいますか?
A. 管理監督者については、時間外・休日労働に割増賃金の支払い義務はありませんが、深夜労働に関しては割増賃金の支払い義務があります。

9. 休暇

Q. 年次有給休暇はいつ付与しますか?それは何日ですか?
A. 新たに雇い入れた労働者は6ヶ月間継続勤務したときに、その後は継続勤務1年ごとに付与されることになります。ただし、全労働日の8割以上出勤した場合に限られます。

10. 安全衛生

Q. 会社独自に安全衛生について規定すべきことはありませんか?
Q. 健康診断は法定通り規定されていますか?
A. 新たに雇い入れる際、及び毎年定期的に健康診断を実施することが義務付けられています。その他、有害業務や海外派遣など別途実施が必要な場合があります。

11. 災害補償

Q. 災害の補償は労災保険の範囲としますか?

12. 表彰・制裁

Q. どのようなことを表彰しますか?
Q. 制裁すべき行為と、それぞれに対する制裁の種類は適切ですか?
A. 一般的な制裁の種類について、軽いものから順に挙げると次のようになります。
  1. 譴責(けんせき)
  2. 減給
  3. 出勤停止
  4. 諭旨解雇
  5. 懲戒解雇
〔補足〕
  • 減給については、一回の減給額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期の総額の10分の1を超えてはなりません。
  • 出勤停止については、行政指導としては7日間を目安としています。
  • 懲戒解雇については、労働基準監督署長の認定を受けなくてはなりません。

あとがき

就業規則を作成したり見直すには、実にたくさんの法律知識や判断が必要となります。(それこそ、全部を詳細にご説明しようすると1冊の本になってしまうほどです。)

結局、これらの知識の不足や判断の誤りが、冒頭申し上げた会社の労働トラブルの引き金となってしまいます。

そして、会社を設立した当初や、その後ある程度定期的にメンテナンスしていたとしても、昨今のめまぐるしい法改正で、アッと言う間に会社の実情や法令にそぐわなくなってしまいます。

労働トラブルの防止は、会社の円滑な運営、もしくは成長発展の大前提となります。

もし、不安や疑問をお感じになられたら、ぜひ早めにお近くの専門家(社会保険労務士等)にご相談されることをオススメします。


このエントリーをはてなブックマークに追加

≪ Report-Top へ