中薗総合労務事務所

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1年単位の変形労働時間制
労働社会保険レポート!

中薗総合労務事務所がお届けする労働・社会保険関連の 実務レポート100選 です。
※ 各レポートは、作成日(又は改訂日)現在の法令に基づき作成されていますのでご注意ください。

今回は、「1年単位の変形労働時間制」についてレポートします。

労働時間の原則は、みなさんご存知の通り「1日8時間、1週40時間」となっています。

しかし、実際には法定労働時間通りの運用が難しい企業も多々あるのではないでしょうか・・・。

では、そのように運用が難しい場合にどうすればよいのか?

一つの解決手法として有効なのが、今回ご紹介する「1年単位の変形労働時間制」であると思います。

変形労働時間制には、この他にも「1ヶ月単位」「1週間単位」「フレックスタイム制」などがありますが、それらについては別のレポートでまとめていますので、必要に応じてご覧ください。

≪目次≫

  1. 規定内容(労基法32条の4要旨)
  2. 労使協定の内容
  3. 対象期間と労働日
  4. 労働日数・労働時間等の限度
  5. 中途採用・中途退職の場合
  6. その他の注意事項

注) このレポートは 2007年8月27日現在 の法令に基づき作成されています。


1. 規定内容(労基法32条の4要旨)

労使協定で一定の事項を定めたときは、対象期間として定められた期間を平均し、1週間当りの労働時間が40時間を超えない範囲内において、特定された週または日において法定労働時間を超えて労働させることができる。


2. 労使協定の内容

労使協定に定めなければならい事項には、次のものがあります。

  1. 労働させることができる労働者の範囲
  2. 対象期間(1ヶ月を超え1年以内の期間に限る)
  3. 特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な期間)
  4. 対象期間における労働日と労働日ごとの労働時間
  5. 有効期間の定め

なお、この労使協定は所轄労働基準監督署への届出が義務付けられており、違反すれば30万円以下の罰金に処せられることがありますのでご注意ください。


3. 対象期間と労働日

対象期間を1ヶ月以上の期間ごとに区分する場合には、次の事項を定めればよいとされています。

  1. 最初の期間における労働日
  2. 最初の期間における労働日ごとの労働時間
  3. 最初の期間を除く各期間における労働日数
  4. 最初の期間を除く各期間の総労働時間

また、翌期からは、各期間の初日の少なくとも30日前に、過半数労働組合又は過半数代表者の同意を得て、上記3、4の範囲内で各期間の労働日及び労働日ごとの労働時間を書面で定めなければなりません。


4. 労働日数・労働時間等の限度

(1) 労働日数(対象期間3ヶ月超の場合)

  • 1年当り → 280日
  • 1年未満の限度 → 280日×対象期間の日数÷365

※ 旧協定がある場合は特例事項があります。

(2) 1日及び1週間の労働時間

原則
対象期間一律1日10時間、1週間52時間
例外
対象期間が3ヶ月を超える場合は次の要件を満たす必要があります。
a. 48時間を超える週は連続3以下
b. 3ヶ月ごとに区分した各期間において、48時間を超える週の数は3以下
なお、上記以外にも、「積雪地域の建設業の屋外労働者」や「隔日勤務のタクシー運転手」などには例外があります。

(3) 他

  • 対象期間における連続労働日数 → 6日
  • 特定期間における連続労働日数 → 1週間に1日の休日が確保できる日数

5. 中途採用・中途退職の場合

変形労働時間制は、原則として中途採用者、中途退職者にも適用されます。

ただし、労働させた時間が対象期間より短い労働者について、その労働させた期間を平均して1週間当り40時間を超えて労働させた場合は、その超えた時間について割増賃金の支払(賃金の清算)義務が生じますのでご注意ください。


6. その他の注意事項

その他の注意事項としては次のものがあります。

  1. 対象期間の途中に、その変形労働時間制の内容を変更することはできません。
  2. 休日の振替については、就業規則に振替をできる旨の規定を設けなければ行うことができません。

あとがき

この1年単位の変形労働時間制は、小売業やサービス業をはじめ、季節による繁閑の差が大きい企業の多くで取り入れられています。

ただ、変形労働時間制というのは、そもそも法定労働時間の例外的取扱いであるため様々な条件や規制がかけられており、理解するのは容易ではありません。

不安や疑問をお持ちの方は、ぜひ早い機会にお近くの労働基準監督署や社会保険労務士にお問合せされることをおすすめします。


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