中薗総合労務事務所

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1ヶ月単位の変形労働時間制
労働社会保険レポート!

労働・社会保険関連の 実務レポート100選 で、目指すは 1テーマを5分で理解できる! です。
※ 各レポートは、作成日(又は改訂日)現在の法令に基づき作成されていますのでご注意ください。

今回は、「1ヶ月単位の変形労働時間制」についてレポートします。

労働時間の原則は、みなさんご存知の通り「1日8時間、1週40時間」となっています。

しかし、実際には法定労働時間通りの運用が難しい企業も多々あるのではないでしょうか・・・。

では、そのように運用が難しい場合にどうすればよいのか?

一つの解決手法として有効なのが、今回ご紹介する「1ヶ月単位の変形労働時間制」であると思います。

変形労働時間制には、この他にも「1年単位」「1週間単位」「フレックスタイム制」などがありますが、それらについては別のレポートでまとめていますので、必要に応じてご覧ください。

≪目次≫

  1. 規定内容(労基法32条の2)
  2. 労使協定について
  3. その他

注) このレポートは 2007年8月25日現在 の法令に基づき作成されています。


1. 規定内容(労基法32条の2)

使用者は、労使協定または就業規則等により、1ヶ月以内の一定期間を平均し1週間当りの労働時間が法定労働時間(原則40時間)を超えない定めをした場合においては、特定された週又は日において法定労働時間を超えて労働させることができる。


2. 労使協定について

(1) 労使協定とは?

労使協定とは、

  • 労働者の過半数で組織する労働組合がある場合 → その労働組合
  • 労働者の過半数で組織する労働組合がない場合 → 労働者の過半数代表者

との書面による協定のことをいいます。

(2) 就業規則との関係等

必要な事項を労使協定に定めて導入するか、就業規則等に定めて導入するかについては、最終的には使用者が決定できるとされています。(行政通達)

ただし、労使協定の効力は、労基法に違反しないという免罰効果に過ぎないため、労使協定により導入した場合においては、就業規則にも定める必要があるとされています。(行政通達)

(3) 届出義務

この労使協定は必ず行政官庁(労基署)に届け出なければならないとされており、違反した場合には30万円以下の罰金に処せられる場合がありますのでご注意ください。

(4) 定めるべき事項

労使協定において定めるべき事項は、変形期間の起算日を含め、就業規則等で定めるべき事項と基本的には同じです。ただし、労使協定の場合には、有効期間の定めが必要となりますのでご注意ください。


3. その他

就業規則等となっているのは、就業規則の作成義務のない常時10人未満の労働者を使用する事業場では、就業規則に準じた文書に定めれば、1ヶ月単位の変形労働時間制を導入できるため、このような表現になっています。

ただし、就業規則や就業規則に準じた文書は、社員に周知しなければ効力を生じないとされていますので、「周知義務」があることはお忘れなく・・・。


あとがき

筆者もこの1ヶ月単位の変形労働時間制の導入に携わった経験は多々ありますし、ここ最近でもお客様の依頼に基づき導入したばかりです。

1ヶ月の総労働時間は多くないが、ある一定の週または日だけ忙しいという場合に有効な手段として今後も導入される企業があります。

例えば、「1日8時間×1ヶ月22日=月176時間労働の場合」で考えると

▽▽▽

1ヶ月トータルでは176時間以内に収めることができるが、ある日だけはどうしても8時間を超えてしまうという場合に、この制度を導入すれば、1ヶ月を平均して週40時間という範囲さえ超えなければ1日8時間を超えて労働させることが可能となりますので、弾力的な労働時間の設定ができるようになります。

実際の導入に当っては、社員全員がこの仕組みを理解することはなかなか難しい面もありますが、マニュアルを作ったり、会議の場を利用して説明するなどすれば、必ず導入できるものであると考えます。


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