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解雇に関する基礎知識
労働社会保険レポート!

労働トラブルの中で最も多いのが「解雇」に絡む問題であるといっても過言ではありません。

そこで今回のレポートでは、「解雇」に関して最低限知っておきたい基礎知識について解説してみたいと思います。

目次

  1. 解雇はどんな場合に認められるのか?
  2. 解雇権の濫用(らんよう)、解雇の無効について(労基法第18条の2)
  3. 解雇制限について(労基法第19条)
  4. 解雇の予告について(労基法第20条)

注) このレポートは 2007年3月7日現在 の法令に基づき作成されています。


1. 解雇はどんな場合に認められるのか?

わが国は欧米などに比べて解雇に対する制限が厳しいと言われており、現状ではどのような場合でも認められるわけではなく、過去の判例などでは、最低限次の4つの要件を満たしている必要があるとされています。

(1) 経営上の理由があるか(整理解雇や退職勧奨を行う必要性があるか)

整理解雇等が許される経営内容の目安としては次のものがあります。

  • 営業利益が過去何年か連続して赤字であり、現状を放置しておくと赤字経営が継続し、人員削減以外に経常収支を改善できない状況にあること
  • 赤字経営が継続すると、会社の資産状況からも銀行融資などの問題が発生して会社を存続させられない状況にあること

(2) 回避努力がされたか

いきなり解雇するのではなく、例えば残業規制、採用の抑制、一時休業、希望退職の募集などの回避措置はとられたかが問題となります。

(3) 対象者選定基準の妥当性があるか

特定の社員を指名解雇するのではなく、例えば年齢など一定の客観的な選定基準があるかが問われます。

(4) 労働組合や社員に対して誠意をもって説明を行ったか

もしこれら4つの要件に不備があれば、解雇権の濫用(らんよう)として解雇が無効とされるケースがあります。


2. 解雇権の濫用、解雇の無効について(労基法第18条の2)

では、解雇件の濫用について、労働基準法ではどのように定められているのかというと「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合はその権利を濫用したものとして無効とする」と定められています。

つまり、先ほど記述した上記1. は最低限クリアすべきであると考えます。


3. 解雇制限について(労基法第19条)

ここまでは解雇の妥当性について述べてきましたが、解雇についてはさらに労働基準法で「解雇制限」や「解雇の予告」に関するルールが定められていますので、これらについても合わせて理解が必要となります。

(1) 解雇制限の原則

まずは原則ですが、

  • 業務上のケガや病気により療養のために休業する期間 + その後30日間
  • 産前産後の女性が休業する期間 + その後30日間

が解雇制限の期間に該当します。

(2) 例外

解雇制限期間中の者であっても、次の場合は例外として解雇することが許されることになっています。

打切補償を支払う場合
打切補償とは、療養開始後3年経過しており、かつ平均賃金1,200日分を支払う場合のことを言いますが、いくら業務上のケガや病気といえども十分な補償を行えば適法に解雇ができるとしているのです。
天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能な場合
ただし、こちらの場合は行政官庁の許可が必要とされており、また、経営上の金融難などはやむを得ない事由には該当しないと判断されている点にも注意が必要です。

4. 解雇の予告

最後に押さえておくべきポイントとして、解雇予告の原則と例外についてご説明します。

(1) 解雇予告の原則

使用者が解雇を行おうとする場合には、次の措置を講じることが必要とされています。

  • 退職日の30日前までに解雇の予告(通知)を行う
  • 30日分以上の平均賃金(=解雇予告手当)を支払う

ただし、これらは両方とも必要ということではなく、解雇予告手当を支払った日数分は解雇予告の日数を短縮することができるとされています。
例) 解雇予告は退職日の15日前 + 解雇予告手当の支払15日分

(2) 解雇予告の例外

上記(1)の原則に対して、次の例外規定があり、例外に該当すれば「解雇の予告」および「解雇予告手当の支払」は不要となります。

  • 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能な場合
  • 労働者の責に帰すべき事由による場合

ただし、上記はいずれの場合も行政官庁の許可が必要となりますので、勝手な判断は禁物である点、最後に付け加えておきます。